マーケティングの具体的な戦略を考えるのに役立つ「マーケティングミックス」。
あなたも「マーケティングミックス」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
別名「マーケティング4P」や「マーケティング4C」とも呼ばれますよ。
よく耳にするものの、具体的にどんな意味なのか、どう活用できるのか、マーケティング用語ってカタカナや英語が多くてわかりにくいですよね…。
この記事では、マーケティングミックス(4P・4C)の基礎や、4つの活用ポイントを簡単に解説します!
マーケティングミックスの基礎をしっかり理解して活用することで、マーケティング戦略の効果を高められますよ。
商品やサービスの販売戦略を立てる際、参考にしてくださいね。
マーケティングミックスとは、商品やサービスをターゲットに販売する際に、どのようにアピールをすれば効果的なのか複数の要素を組み合わせて行う戦略のこと。
マーケティング戦略のなかで「実行戦略」と位置づけられますよ。
マーケティングミックスの目的は自社の商品やサービスに対し、ターゲットから期待通りの反応が得られるようにすることです。
広告や営業活動の効果が最大限に発揮されるように戦略を練りましょう。
マーケティング戦略は、「誰に、何を、どこで、いくらで、どのように売るのか」を決める取り組みを意味します。
ビジネスはやみくもに取り組んでも、うまく行きません。
事前にマーケティング戦略をしっかり立てる必要がありますよ。
マーケティングの対象となる環境を、市場・競合・自社の観点から分析します。
自社の強みはどこなのか、市場で流行っているものはどういうものか、などを洗いだしましょう。
環境分析に用いられる方法には、以下のようなものがあります。
分析したい内容によって方法を選択すると良いでしょう!
環境分析の結果を受け、市場全体からターゲットを特定しましょう。
マーケティングで重要なのはターゲットを絞ることです。
ターゲット設定がうまくいかなければ「誰のための商品なのか」 が明確にならず、結果的に売れない状態になります。
「STP分析」からターゲットを考察していきます。
セグメーションとは、市場を「年齢・性別・地域・購買行動」などに分類することをいいます。
「市場の細分化」ともいわれていますよ。
商品やサービスに求めるベネフィットは顧客によって異なります。
セグメンテーションで細分化し、ターゲティングを行う必要がありますよ。
細分化を行う際の軸は基本的に以下の4つです。
ターゲティングとは、細分化した市場や顧客のなかから「ターゲットを定める」ことをいいます。
簡単にいうと、「どういう顧客に買ってもらいたいか」を決めることです。
商品やサービスを販売するためには、細かくターゲットを定めることが必要になってきます。
年齢や性別、職業といった情報だけでなく、趣味、家族、ライフスタイルなど細かくターゲットを定めると良いでしょう。
ポジショニングとは、自社の商品やサービスを他社のそれと「差別化」を図ることをいいます。
しかし、差別化を行えば成功するというものではなく、顧客のニーズを考慮する必要があります。
差別化を図るだけでなく、需要の有無や大きさも意識しながら、自社製品の立ち位置を構築しましょう。
自社と競合の立ち位置を視覚化できるポジショニングマップなどを利用して、考えると良いですよ。
製品・価格・流通・プロモーションの4Pから、ターゲットとする顧客層にどのようなアプローチをするか考えます。
ターゲットやポジショニングが変われば、4Pも変化するため、必ず「STP分析」の後に行われますよ。
具体化されたマーケティング戦略の計画を「実行」。
そして、実際に行ったマーケティングの効果を「評価」しましょう。
「良かった」「悪かった」という評価ではなく、マーケティング戦略のどこに問題があったのかを見つけていくことが、大切な取り組みになりますよ。
マーケティングミックスの代表の1つである4P。
マーケティングにおける「4P」は、Pから始まる以下4つの単語の頭文字を表すフレームワークです。
4Pは、商品やサービスを販売する「売り手」の視点です。
自社の商品やサービスは、4Pのどこが強みで、どこに課題があるのかを分析して戦略を整えていくことが重要ですよ。
それぞれ詳しくみていきましょう。
製品 (Product)はターゲットに対して、「どのような商品・サービスを提供するのか」を検討します。
マーケティングミックスのなかで1番重要な構成要素です。
製品の戦略に含まれる要素は以下のとおりです。
商品を手に取ったユーザーがどんな気持ちになるか、どんなメリットがあるかという感情の変化も、重要なポイントです。
売れるために、どう差別化していくかの「コンセプトづくり」が重要ということです。
価格(Price)は、商品やサービスをターゲットに「いくらで提供するのか」を決めます。
商品やサービスの価格設定は、売上に直結する大事な部分です。
生産コストや市場の相場、競合となる商品の価格などから、適切な価格を設定しましょう。
流通(Place)は、商品やサービスをターゲットに「どこで、どのように提供するのか」を決めます。
日用品や消耗品を大量販売するなら、スーパーやコンビニ、での販売がいいですよね。
また、良い商品を作り、広告を見たユーザーが欲しいと思っても、場所や手段などの理由で購入できないのはもったいないですよね。
届けたいターゲットの年齢やライフスタイルに合わせて、最適な流通を選びましょう。
プロモーションは、商品やサービスをターゲットに「どのように商品の存在や魅力を知らせるか」を決めます。
商品やサービスの認知度を高めて、購買につなげるのが目的です。
どんなに良い商品やサービスがあっても、知ってもらわなければ意味がありません!
商品の特徴やターゲットの行動から、効率よくプロモーションできる手段はどれか検討しましょう。
プロモーションの手段として、主なものを以下です。
「4P」は売り手側から見た考え方であることから、買い手側の立場に寄り添った「4C」で考えるべきという意見もあります。
「4C」とは、Cから始まる以下4つの単語の頭文字を表したフレームワークの1つです。
4Pと4Cは対の関係にあり、両方の視点からマーケティング戦略を立てることが大切ですよ。
買い手の視線を重視した「4C」の要素について詳しくみていきましょう。
価値は4Pの「製品」と対になるもので、顧客が商品やサービスに抱く価値のことです。
商品やサービスそのものの価値だけでなく、「使いやすい」「ワクワクする」といった好意的な感情や、アフターサービスのような購入後のベネフィットなども含まれます。
費用は、商品を手に入れるためにかかるコストのことで、4Pの「価格」と対になる要素です。
商品の費用だけでなく、購入するために必要な経費や手間も該当しますよ。
例えばオンラインショップの送料や、店舗に買いに行くまでの移動時間なども、4Cの「費用」に含まれます。
利便性は、商品の入手しやすさのことで、4Pの「流通」と対になります。
「商品をどこで購入できるか」「決済方法が選べるか」などの購入のしやすさを考慮する必要があります。
コミュニケーション要素は4Pの「プロモーション」と対になる要素で、顧客と企業のコミュニケーション方法を検討します。
企業が一方的にアプローチするだけでなく、顧客の声を拾い上げることが大切ですよ。
マーケティングミックスの活用ポイントを4つ紹介します。
STP分析を用いて、ターゲットや自社のポジションを明確にしておきましょう!
ターゲット層が不明確だったり、自社の立ち位置を把握できていなかったりすると、市場に参入しても成果が得られない可能性がありますよ。
マーケティングミックスは、4Pの4つの要素の整合性やバランスが取れているかどうかが重要ですよ。
などをチェックしましょう!
また、企業と顧客のニーズが異なるとマーケティングがうまくいかない可能性があります。
双方のニーズにギャップがあればそれを解消していくことが大切ですよ。
4Pと4Cの両方を活用して、漏れのないマーケティングミックスを目指しましょう!
4Pと4Cは視点が異なるため、どちらか一方だけでは偏ってしまいます。
顧客ニーズを満たさなければ販売は見込めません。
4Cを分析してから4Pの視点で検討を重ねるのがおすすめですよ!
マーケティングを進めるうえで重要なのが、競合との差別化です。
単純に競合の現状を把握するだけでダメです。
競合のマーケティングミックスも分析してみましょう。
自社と競合のマーケティングミックスを比較し、4つの要素の組み合わせで差別化を図ると良いでしょう。
マーケティングミックスはどのように取り入れられているのか、「スターバックス」の事例をみていきましょう。
製品(product) | 「サード・プレイス」を顧客価値に |
価格(Price) | コーヒー1杯300円台と高額 |
流通(Place) | 大都市中心の直営店がメイン |
プロモーション(Promotion) | PRや口コミ、店頭看板のみ |
スターバックスでは、単に「コーヒーを売る」のではありません。
お客様が友人と会話をして、自由に過ごすことできる場所を提供する「サード・プレス」を顧客価値にしています。
サード・プレイスは、家でも職場でもない「第3の場所」のことをいいますよ。
そのような製品価値があるからこそ、コーヒー1杯が300円台と高額でもお客様が集まってくるのですね。
顧客や競合の環境は常に変化しています。
1度マーケティングミックス「4P・4C」で分析したからといって、戦略を立てたからと安心してはいけません。
「4P・4C」を活用していくには、何度もPDCAサイクル(計画、実行、評価、改善)をまわしていくことが大切ですよ。
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