あなたは「リファーラル」という言葉を知っていますか?福祉の業務としてのリファーラルと、採用としてのリファーラルがあります。
福祉のリファーラル業務は相談援助過程の1つです。相談者からの悩みを解決するため、他の機関を紹介したり、専門の機関に取り次ぐことをいいます。
福祉業務の中であなたが当たり前に行っていることですが、相談者の不安を取り除き、信頼関係を構築するための大切な業務です。
「専門外だから」と、不真面目な対応をしていると、相談者は不安になり、今後の援助にも影響する可能性がありますよ。
また、「リファーラル」は採用やマーケティングの分野についても注目されています。
福祉業界の人手不足解消になるのではと期待されているので、「リファーラル業務」と合わせて理解しておきましょう。
福祉におけるリファーラル業務は、相談者から受けた内容を他の専門機関に取り次いだり、紹介したりする仕事です。
あなたも普段ごく普通に行なっている業務ですよ。福祉におけるリファーラル業務は相談者との関係構築や、安心感を与えるためにとても大切な業務です。
専門外だからと受け流すことのないようにしましょう。
そもそも、「リファーラル」とはどういう意味でしょうか。リファーラルとは「リファラル」とも表現され、紹介や委託、推薦という意味です。
英語で「referral」のことであり、「リファーラル」の意味は「リファラル」と同じです。
「リファーラル採用」や「リファーラルマーケティング」など、人材の獲得やマーケティング手法としてビジネスシーンでも使われていますよ。
リファーラルは、人を介した行為を表現する時によく使われます。
福祉においては、相談を受けたけど、他の機関を頼った方がいいな、という場合に、「相談者と話し合って別の機関を紹介する」、「別の適切な期間に紹介する」などがリファーラル業務です。
福祉におけるリファーラル業務とは、他機関や他の専門職の人物を紹介することです。例えば以下のような事例です。
など、上記のような場合がリファーラル業務にあたります。これをまとめると以下がリファーラル業務です。
言葉自体はあまり知られていませんが、福祉の業務の中であなたも普通に行っていることではないでしょうか。
リファーラル業務は、福祉において行われる相談援助過程の1つです。相談援助過程は以下のような流れで行われます。
相談援助過程の中で、リファーラル業務を理解することはとても大切です。1つずつ説明していきます。
アウトリーチとは、福祉サービスを必要としている人に手を伸ばし、必要な福祉サービスを受けられるようにすることです。
アウトリーチというのは英語で「手を伸ばすこと」を意味します。
以上がアウトリーチの例で、ニーズの発掘や掘り起こしのことを意味します。
インテークとは、支援対象者か判断するための受理面接のことです。
アウトリーチで手を差し伸ばしたら、インテークを行います。そしてクライアントの訴えを把握して支援対象者か判断します。これをスクリーニングといいます。
スクリーニングで支援対象者であると判断された場合、相談援助過程に従って進んでいきます。
しかし、支援の対象ではないと判断された場合、クライアントの支援に適した他の機関を紹介することになり、これをリファーラルと呼びます。
アセスメントとは、クライアントの事前評価のことです。スクリーニングの結果、支援対象者であると判断された場合に行われます。
どのような障害を持っているか、家族や状況を取り巻く環境は、経済状況はどうか、などの情報から評価します。
本人の状況だけでなく、交友関係や住居、周辺環境や生活サイクルなど、相談者を取り巻く環境の全てを考慮することが重要です。
プランニングとは支援計画のことです。アセスメントで評価ができたら、具体的な個別援助計画を立案したり、作成したりします。
障害福祉の分野では、個別支援計画の作成が義務付けられていますよ。
相談者のニーズを満たすことが重要で、相談者自身が問題を認識し、解決方法を選択することにより、問題解決への意欲を持たせることが重要です。
インターベーションとは、介入という意味で、支援が開始することです。
この介入過程では、絶えず目標や目的に向かいながら活動を展開します。
介入には、相談者に直接働きかける「直接介入」と、相談者以外の環境に働きかける「間接介入」があります。
どちらにしても個人情報の取り扱いには十分注意し、守秘義務を尊重しましょう。
エバリュエーションとは事業評価という意味です。プランニング、インターベーション、モニタリングの一連の支援が行われた後、事後評価を行います。
アセスメントは事前評価、エバリュエーションは事後評価という意味ですよ。
エバリュエーションでは、どの程度達成できたか、インターベーションが適切だったか、支援の前と後で相談者と周辺環境はどう変化したかを振り返って評価します。
ターミネーションは「終結」という意味で、支援の終わりのことです。このターミネーションは、相談者の問題が全て解決しておかなければならないというわけではありません。
ある程度成果が見られ、後は相談者自身で解決可能と判断された場合でも終結します。
フォローアップとは、支援が終了した後も、相談者の状況に応じて、必要であれば支援を再開することです。
また、相談者への援助の効果や、その後の状況を調査したり確認したりします。
さらにその結果に基づいて、補足や改善を行うことが大切です。
このように相談援助は様々な段階を得て開始されます。福祉におけるリファーラル業務は、相談援助過程の一環として自然に行われていることです。
福祉業界では、業務におけるリファーラルだけでなく、採用においてもリファーラルというワードが注目されています。
どちらも人を介した行為をする際に使われる言葉で、採用だけでなくマーケティングなど幅広い場面で注目されている言葉ですよ。
「リファーラル採用」とは、すでに働いている人に人材を紹介してもらい、採用するシステムです。
増加し続ける介護のニーズに対応するため、福祉業界で働きたいという人材を多く確保することはとても大切なことですね。
しかし、実際は求人数も多いとは言えず、離職率も高いままです。そこで、「リファーラル採用」が注目されています。
リファーラル採用の事例は以下のとおりです。
様々なメリットがあるため、人手不足を解消する手段として注目を集めています。
またリファーラル採用は以下のようなメリットがあります。
リファーラル採用は、福祉業界の人手不足解消に期待されています。
リファーラル採用が機能するためには、現在働いている職員にとって、事業所が働きやすい場所であることが大切です。
なぜなら、働きやすく、紹介したいと思われる事業所でないと、勧められないからです。
「この事業所なら安心して紹介できる!」と思われるような職場にすることが、リファーラル採用を成功させるポイントですよ。
人を介した行為をする時に使われる「リファーラル」という言葉は、福祉だけでなく、様々な業界の採用やマーケティングでも注目されている言葉です。
福祉の業務では、相談者と信頼関係を構築させる重要な業務なので、相談者のためになる支援ができるようにしましょう。
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